Background

コミュニティ立ち上げの背景

保護者同士のつながりが希薄

日々の育児で強く感じたのは、保護者同士のつながりがあまりにも少ないということでした。

保護者が孤立しがちな今の時代、たとえ同じ園や学校に子どもを通わせていても、悩みを共有したり協力したりする機会はほとんどありません。

さらに、問題が起きたときに園や学校、行政の対応に任せるしかない現実があります。声をあげても「モンスターペアレント」とレッテルを貼られて何も好転しません。

そんな現状を、私は長女のいじめ被害を通して実際に体験しました。

長女の保育園時代のいじめ被害に学ぶ

長女が園で受けたいじめはひどいものでした。保育士の目が届かない場所やタイミングで、同じクラスの男の子から暴言や暴力を毎日のように受けつづけていました。

この加害児童はニコニコ笑顔で近づいてきて、いじめてくる子どもでした。それにも関わらず保育士の評価は、素直で理解力のあるいい子だったのです。

長女は毎日、加害児童から受けたいじめの内容を私たち親に伝えてくれていました。あまりにひどいのでやり返してみたらどうかと聞いてみたこともあります。ですが、その加害児童を傷つけるのが嫌なのだと。加えて仕返しされるのが怖いと言います。だから長女本人では何もできない状態でした。

園の年長になった年の初夏。長女が園でトイレをしていると、加害児童がドアを押さえつけて閉じ込めてきました。長女が「やめて」と言ってもやめません。幸い保育士が気づき脱することができました。

加害児童は更生しなかった

当然、加害児童は保育士から叱られました。このトイレ事件をきっかけに、長女が何か嫌なことをされたら、保育士に頼ってすぐ報告し加害児童に注意する体制を園に要求しました。すると加害児童は長女に向かって「先生に言うなよ」と脅しをかけてくるようになったそうです。

仕返しを怖がっている長女はもう保育士に頼ることさえもできなくなりました。

日々のいじめにより長女の心の傷は蓄積し、トイレ事件を契機に一層深い傷になりました。PTSDのような深刻な状態にまでなっていると思います。男性恐怖症の傾向が見られ、何もないのに涙を流すこともありました。

長女は小学校に上がった今も子どものメンタルクリニックに通っています。

核家族だけでは力がない

当時、園の対応は、加害児童に対して「注意した」「理解しているようだ」というものでした。しかしその程度では加害児童の言動が改善することはありません。

加害児童の親に対しても園は注意したそうです。何をどのように注意したのかは知りません。ただ親がキツく叱ったり厳しく躾けたりする必要はあったと思います。場合によっては加害児童が医療機関で更生プログラムを受ける必要があったかもしれません。

当然のことながら行政は動きません。物的証拠もないので第三者機関に相談するのも難しい状態でした。そのうえ園からは、私たち親の訴えが「クレーム」と受け取られた印象です。さらには長女が悪いような言い振りまでされたのです。

そして卒園式では隣りの席に配置されていました。理由は生年月日順だから仕方ないと。すぐに配置がえを要望しましたが、生年月日順を優先するので無理だと言われました。長女が怖いと言ったので、私たち夫婦は卒園式を欠席させました。晴れの舞台、節目である卒園式さえも長女から奪う結果となったのです。

こうした経験から強く思いました。

子どもを守るためには、保護者自身がつながり団結し、主導権を持つことが必要だ」と。

そして保護者の負担を極力軽くした上で団結できるのはオンラインコミュニティだと思い立ち上げました。子どもを守るためには保護者が立ち上がる勇気が必要です。

経緯

前身「Parent Connection」から「Daddy Voice」へ

実は当初、保護者が情報を共有し、知恵を出し合い、ときには声をあげ、協力し合えるオンライン上の「つながりの場」にしたいと思い「Parent Connection」というコミュニティを立ち上げました。

  • 行政や企業と対等に交渉・提言できる母体となる
  • 地域を越えて保護者がつながれるインフラをつくる
  • 子育て情報の格差をなくし、知識と選択肢を広げる
  • 子育て中の孤立を防ぎ、支え合える関係性を築く

このようなことがしたいとふんわりと考えていました。

わが子が小さいうちにと思い焦ってしまい、コミュニティの目的や活動内容、メンバーになってほしい対象者、実績など何もない状態にもかかわらず、Facebookグループでコミュニティページをつくりました。「保護者をつなぐコミュニティ「Parent connection」をfacebookグループでスモールスタートしてみた話」にまとめています。

さらにコミュニティの存在を周知したいと思い、クラウドファンディングにも挑戦しました。そして見事に失敗しました。

失敗から学んだこと

クラウドファンディングを始めて間もなく「このコミュニティは誰から、どんな理由で、どんな活動を応援したもらうつもりなんだろう?」「応援してもらえるだけの実績がないじゃないか!」と気づきました。

慌てて子育てにかかわる資料をつくってアーカイブしました。また、こども家庭庁の話題があったので「こども庁創設を提唱した山田太郎参議院議員へ質問状を投げてみた話」にまとめたように、議員へ質問状を投げてみたりもしました。コミュニティとして勢力がないので、当然返事はありません。

明らかにコミュニティ立ち上げに失敗しました。とはいえ、子どもの未来をより良くしたい、個人的に言えばわが子が生きる未来が希望に満ちて明るく生きやすい社会にしたいと考えています。

だからコミュニティを具体的に考え直して、新たに「Daddy Voice」というオンラインコミュニティを立ち上げることにしました。

Parent Connectionが失敗した原因は、

  • 実績がなかったこと
  • 組織の目的や活動内容があいまいだったこと
  • メンバーの対象を広げすぎたこと

あたりだと思いました。

Daddy Voiceの改善点

新たにコミュニティ立ち上げに際して改善点として、

  • ひとり活動で実績をつくること
  • 組織の目的、活動を明確にすること
  • メンバーの対象を子育て環境を良くしたい父親に絞ること

まずメンバーになってほしい人物像をハッキリさせておきたいと思います。共感を得やすいのは、自分と似た環境にいる人だと思うので「育児や教育など子育て分野についてより良くしたいという父親」を基本の人物像にしたいと思います。もちろん共感してくれる人は、この人物像でなくてもメンバーになってくれるとうれしいです。

次に組織の目的や活動内容を明確にしたいと思います。コミュニティが存在する目的は、育児や教育など子育て分野についてより良くしたいという父親が団結する場であり、団結して議員や行政、自治体、企業など社会に向けて提言する組織にしたいなと思いました。

また実績が必要なので、ひとつでも多く積み重ねます。