「何かお探しですか?」
買い物に行くと聞かれますよね。この言葉がとても苦手です。いらないものを買わされるとか何か買わなければいけないとか、つい思ってしまいます。
販売員の方も売らないといけないとはいえ、おそらく親切心から言葉をかけてくれているのだと思います。ですが、不安と猜疑心がぬぐえないのです。
言葉巧みに誘導したり、こちらが商品への不満点をあげてもうまく言葉でカバーされたり。会話したが最後、買うまでつきまとってくるのではと。
メーカーが販売促進の施策を練っているのを知っているだけに、販売マニュアル的なものがあるのは知っています。つきまとうことはないのはわかってはいるのですが、どうしてもダメなんです。
私のような人は珍しくないでしょう。むしろひと昔前よりも増えているのではないでしょうか。
売上目標を与えられている販売員にとって、どうやって売上げをあげればいいのか悩む時代です。
お客に営業をかけてメリットを伝えてひとりでも多くの人に買ってほしい。なのにお客は営業を望んでいません。どうやってお客とコミュニケーションをとればいいのでしょうか?
こんな時代だからこそ店頭のカタログは以前にも増して重要性が高くなっています。特に高い買い物ほど。なぜなら安い物ならインターネットでポチッと手軽に買いますが、高い買い物になるとやはり実物を見て比較したりクチコミが正しいか確かめたりしたくなるものです。
実物を見たり確かめたりするには店頭に行くしかありません。しかし店頭に行くともちろん販売員がいます。私の場合、付かず離れずの距離を保ちつつ遭遇しないように注意します。テレビゲームのパックマンみたいな感じです。
こちらの気持ちを察してなのか、最近では販売員もあまり声をかけてこなくなりました。
しかしお客の私はわがままなもので、商品の違いはパッと知りたいのです。販売員とは話さずに。
こんなお客がうろついている店内では、カタログがどれほど重要な役割を果たすかは想像に難くありません。どんなカタログがいいのかは「カタログは万人向けではなくペルソナに向けた内容で制作するのがいいという話」のようにペルソナを明確にしてメッセージが届きやすいのがいいでしょう。
またベンチマークした企業と比較しやすく、かつ勝ちポイントがわかりやすい構成のカタログがいいと思います。デザインのトンマナもベンチマークに寄せるのがいいです。コピーワークは極力短く端的で平易な言葉づかいがいいと思います。メリットだけでなくデメリットも明記すべきです。商品画像は、細部まで見えるものとコントラスト強めのイメージと使い分けが重要です。
デジタル時代なので、たいていの人がスマホで事前に調べます。比較サイトやクチコミを見て、商品を絞り込みます。くり返しになりますが、安い物ならそのままポチッといくでしょう。けれども高い消費や嗜好品、こだわりがあらわれやすい物などは、最終的に実物を確認して納得して買いたいのが心理です。
逆説的ですが、今のデジタル時代にあってカタログという印刷物がうまく制作できれば売上げはきっと上がるのではないかと思います。