カンプの回覧を取りまとめて疑問点の解決をやるのが大変だった話

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以前はパナソニックの子会社でカタログ制作をやっていました。商品カテゴリーはブルーレイレコーダーやオーディオ、電気シェーバー、電動歯ブラシなどいろいろやっていました。どれかひとつのときもあれば複数同時にやることもありました。黒物家電も白物家電もやっていて、それぞれに特徴があることも感じました。

さてそのカタログの制作過程の中で、当然お客に商品内容が正しいかどうかチェックしてもらうタイミングがあります。それをパナソニックでは「回覧」と呼んでいました。

回覧とはいってもデジタル時代なので、言葉どおり順番に回すわけではなく、メールで一斉に見てもらいます。相手は開発者とマーケティング部署、販促部署の方々です。

カタログ制作でこの回覧がかなり重い役割でした。「1ミリの誤差を修正することがディレクターの役割ではないと思う話」のとおり、1ミリくらいのズレはどうでもいいと感じるくらいです。役割が重いという理由は、

  • 回覧前までは販促部署の人が主に確認するので、それまでOKだったものがNGになることがある
  • 商品規格に関することなので絶対に間違えることは許されない
  • 商品開発の進行が、カタログ制作と同時に進んでいて複数回の回覧で結論がコロコロと変わる
  • 回覧に関わる人数が10人を軽く超えるので、Aさんは OKでもBさんは NGという場合もある
  • 複数人が目を通すのでグラフィックデザインがひっくり返ることもある
  • お客側で意見を取りまとめてくれず、こちらで集約して変更点や誰の意見なのかなど資料をつくる作業がある
  • お客側で意見の取りまとめがないので、一度にまとめて訂正依頼がくるわけではなく五月雨で次から次に訂正作業が発生する

すべて書き出そうとするともっと長くなるので理由はここまでにとどめておきます。とにかくこの回覧が結構大変でした。

中でもお客側で意見が分かれたときに大変さが増します。冷静に話し合ってくれればいいのですが、白熱して収集がつかなくなり結論どうするのか出ないまま宙に浮くこともありました。

ほかにもスケジュールで回覧の期間を1週間〜10日も確保しているのに、入稿近くなってから全然チェックしていませんでしたなんてこともあります。

またカタログ制作しているこちら側に資料が来ていないから空欄にしつつ資料請求した場合でも、商品規格が空欄で怒り出す人もいました。

これらのような状況でもこちら側は落ち着いてメールや電話でやり取りして、疑問点や訂正箇所をすべて解消して資料に落とし込み、回覧を完了させました。

回覧が完了しないと入稿ができないので、回覧中になにかしらのトラブルや遅延があったときは肝を冷やしました。