下版後は神に祈るのみ!?誤植の不安と恐怖は終わらないけど校正屋の安心感はデカいという話

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印刷物には下版という工程があります。印刷するために版、つまりハンコみたいなものをつくって印刷所に渡します。その後は版とインクを使い、紙に印刷していきます。

この下版という工程に進むと後戻りできません。デジタルのように「戻るボタン」がないので、白い紙に印刷してしまうともう白紙に戻れないのは当たり前です。

つまり印刷物の場合、下版までに完璧な内容のクリエイティブをつくる必要があります。

それなのに制作という仕事は、事前調査がほぼなかったり、スケジュール上の修正回数は3回なのになぜか2桁の修正回数になっていたり、制作日数が極端に短かったりします。真っ青になるのが下版する日に修正依頼がきたり、制作の終盤になって下版や納品の日が前倒しになったりすることです。

これは発注元の担当者が問題ではなくて、多くは会社組織の連携不足や偉い人の鶴のひと声でひっくり返ることが原因だったりします。あとは営業やプロデューサー、ディレクターなど、発注元の担当者と打合せする役割の人が先手を打ってアドバイスできていない場合もあります。

制作という山の頂上まで登るまでに多くのトラップがあるわけです。それも頂上に近づくほどに。ふもとを進んでいるうちはあまり真剣にクリエイティブと向き合う人がいません。「「オールターゲット」という魔の言葉に困る話」にもあるように、マーケティングもあまり詰められていないことが多いです。

登山に例えると、山に登ることは決まっているのです。でも何日かかるのか?どのルートで登るのか?何を持っていくのか?などプランを立てるのですが、真剣に検討する人があまりいません。5合目を過ぎたあたりから注目が集まり、8合目を過ぎたあたりでメンバーから注文が出てきます。突然、今日中に頂上に行こうとか、やっぱりルートを変えようとか。

「え、今さら・・・」という言葉が出てしまいますよね。

印刷物はそんな状況下で下版することが思った以上にあります。誤植がないか不安です。とにかく不安です。でも下版したらもう手出しできないので、あとは「神」に祈るしかないのです。「紙」の印刷物だけに。

冗談はさておき、本当に祈るような心境です。だからこそ校正を何度もおこないます。しかし穴が開くほどチェックしても、それだけでは不安です。そこで救世主となるのが校正屋です。

カタログ制作の文字校正は外部の校正屋に依頼したほうがいいという話」に書いたとおり、何度自分たちで校正しても目がスベります。コスト面でも品質面でも校正屋に任せたほうがいいでしょう。神に祈るような心境の中でも、ひと筋の光となるのが校正屋がチェックしているという事実です。制作側の精神面での安定をもたらしてくれます。

本当は制作に入る際には、関係者が綿密なプランを練り、最初から集中してクリエイティブと向き合うことが最良です。ただその実現がなかなか難しいのが現実です。クリエイティブという山の頂を目指すならば、校正屋というパートナーを引き連れていくことをお勧めします。