いじめ被害で登園できていない長女がいます。今は基本自宅にいます。しかし家に閉じこもっていては集団に慣れることができません。他者とのコミュニケーションも不足します。経験値も積めません。だから工作教室、スイミング、作業療法でのリハビリなどに行っています。
そうして貴重な6歳の日々を過ごしてきました。そしていよいよ卒園式を迎えました。こうした行事ごとにはリハーサルがあります。
卒園式のリハーサルには長女になんとか行ってもらいました。そのときと恐怖体験などは「いじめ加害者の「最近なんで(保育園に)来ないの?」には注意が必要な話」にまとめてあります。大人の私も恐怖と不安を感じました。
要約すると、長女が登園していなかったことでいじめるターゲットを変えただけで、加害児童は変わっていませんでした。そして長女への第一声が「最近なんで(保育園に)来ないの?」でした。これは意見が別れるところかもしれませんが、いじめ加害者が「なんで来ないの?」と言うときは、いじめができなくて物足りないじゃないかと同義だと私は思っています。
さてリハーサルを終えて長女と家に帰り、保育園での様子を聞きました。最初に話にあがったのが、加害児童の隣りの席だったということ。驚愕しました。いじめの加害者と被害者を隣りの席にする無神経さに驚きました。
当たり前ですが、長女は「怖かった」と言っていました。「子どもがいじめに遭ったらどうなるのかという話」に書いたとおり、当時5歳だった長女にとってどれほどの恐怖体験だったことか。その加害者が隣りに座っているのを想像すると、長女がどれほど恐怖に耐えていたか泣きたくなるくらいです。
次に聞いたのは、その加害児童は長女とは別の女の子を泣かせていたということです。ターゲットが長女ではなく別の子になっていただけで、相変わらず他の子に暴力か暴言かわかりませんがいじめていたのかなと思いました。人間そう簡単に変わりません。変わろうとすることが大人でも難しいのに、6歳の子どもが1年程度でできるでしょうか。
とにかく、夕方次女のお迎えの際に、卒園式での長女の席を変えてほしいと希望を伝えました。すると、まず先生たちが近くにいるので問題行動は起こさないだろうからそのままでも大丈夫だと思うと言われました。それでも納得できないなら一番後ろに1席分空いているので、そこに長女が移動しましょうということでした。
思ったのは、普段から先生が近くにいる中でもいじめをしているのに、卒園式に限って大丈夫だろうというのは甘い考えではないかということ。車の運転ではないですが、「だろう運転」ではなく「かもしれない運転」の考えに立ってほしいと思いました。
またこの席順は生年月日の順番らしいのですが、被害に遭っていまだリハビリ中で登園できない児童への配慮よりも、この生年月日の順番を厳守しようとするのは、優先順位がおかしいのではないかということ。そして移動するのが加害児童ではなく、被害児童であることに違和感を覚えました。
納得などできなかった私は即答で、最後尾に移動でお願いしました。すると園長の登場です。最初は立ち話だったのに個室に通されるくらいには話し合いがヒートアップしました。その後、妻は夜に電話で園長と話しました。
(⚫︎保育園の主張)
→(私が保育園側に伝えたことや感じたこと)
⚫︎生年月日順の席にしていて変更ができない。
→保育園は、児童を不安や恐怖心から守ることよりも生年月日の順番を優先。被害児童の恐怖と不安の気持ちを保育園は考えていない。
⚫︎怖くても耐えることを覚えさせることが大切。
→保育園は、長女がいじめやその加害者から逃げることを許さない。多様な生き方があることを教えない。
⚫︎いじめられてもそれを乗り越えることを覚えさせる必要がある。
→保育園は、いじめに遭っても自己責任という姿勢。加害児童を罰するのではなく、被害児童に耐えることを強いる、精神的に追い詰める。長女が怖がっているのは、加害児童にやめてと発言しても仕返しされるのも含まれている。
⚫︎保育園としては児童全員に注意をうながし、加害児童たちに念押しで注意。
→保育園は、たった6歳の児童に話しただけでいじめをやめると思っている。人間は話しただけで誰でもすぐに善人に変わると思っている。実際には加害児童は相変わらず長女以外の女の子をいじめて泣かせているのに。
⚫︎親にも話した。加害児童は泣いていた。改心したと思う。
→保育園は、加害児童とその親をかばう。しかし加害児童は、いじめの注意をされたその日のうちに、先生のいないところで「先生に言うなよ」と長女に脅しの言葉を低い声で怖がらせるように言ってきた。
⚫︎加害側に注意したことで対応を終えている。
→保育園は、再発防止のための施策を用意していない。
⚫︎保育園のホームページに「ご意見・ご要望」欄があるが、いじめがあった年の報告書にも「苦情なし」と記載。
→保育園は、隠蔽体質がある、もしくはくり返しおこなわれている暴言や暴力、いじめの事実を軽く捉えている。
このように保育園とは価値観や認識の違いがあり、卒園式に出席して大団円、終わり良ければすべて良しとはできませんでした。
だから卒園式は欠席にしました。ボイコットみたいな感じです。おそらく次女は転園させることになるのではないかと思います。保育園側の再発防止策を確かめてからの判断になりますが。
これから保育園を選ぶ人にとっても、ホームページに毎年「苦情なし」を見て判断させるわけにはいきません。再発防止策のないまま、長女と同じような目に遭う児童はいてほしくないものです。