会社組織にはさまざまな人がいます。それぞれ役割が与えられて、各自一生懸命に仕事をしています。多様性と協調というキーワードが思い浮かびます。
みんな違ってみんないいという心境になれれば問題ありません。ですがたいていの人はそんな仏のような境地には辿り着けません。好き嫌いのあるただの人間です。
制作ディレクターをしていたとき、ふつうは販促担当者とやり取りして進めます。ところがその販促担当者とマーケティング担当者が、水と油のようにまったく相性が悪いのです。打合せひとつするのも、大人ふたりではできません。
そこで白羽の矢が立ったのが、外部の会社の制作ディレクターである私でした。
「ウェブディレクターは今日も忙しい。ディレクションを侮るなかれという話」にも書いたように、ディレクターって求められることも多くて案外忙しいんです。なのに、外部の会社の打合せのたびに呼び出されます。
正直、なんで?と思っていました。社内で調整して発注するのが仕事だと思うのですが、その調整を私に依頼してくるのです。今思えばこの調整役も請求するのが良かったかもしれません。
ですが悪いことばかりではありませんでした。マーケティング担当者とも話し合えたので、売り方について議論することもできました。「1ミリの誤差を修正することがディレクターの役割ではないと思う話」に書いたように、私がミリ修正するタイプではないことも影響していたと思います。
クリエイティブの役割や目的をマーケティング担当者から直接聞けるのは貴重でした。「「売上げは会議室でできるんじゃない、売場でできるんだ」の考え方は大事という話」の記事にあるとおり、私も現場視察をよくしていたので対等に話し合えたと思います。
ディレクターっていろいろな仕事がありますが、クライアントの内部事情によっては他社の人間関係の調整役もすることがあると知りました。これも「人を動かす」ことにつながるのだと思います。
「ディレクターは人のいいところを発見して褒めて人を動かすことが求められているという話」に、人に動いてもらう考えをまとめましたのでご参考に。