インターネットが普及した現代では比較サイトという便利な情報源があります。一部の年配の人は別かもしれませんが、買い物をする際に比較サイトを見ない人はきっとほとんどいないでしょう。
比較サイトを見れば機能の違いや価格の差が一目瞭然です。メーカーごとに機能名が違うのに、機能が近しいかどうかを調べてくれる比較サイトのライターには感謝しかありません。
販売するメーカー側としては捉え方が違うでしょう。業界1位で他社を圧倒していればこれ以上ない追い風になるサイトです。しかし大差ない商品の場合はどうでしょう。価格まで比較されるので金額で選ばれるかもしれないと思う人もいると思います。
しかし比較サイトを見て、最安値の商品を選ぶ人はほとんどいないと思います。
⚫︎理由1:アフィリエイトの記事が多いから
アフィリエイトは、ライターが企業から依頼を受けたり企業が募集している執筆案件にライターが応募したりして、商品が売れるのを促す販売促進活動のひとつです。つまり太鼓持ちのような記事になりやすい。
企業からお金をもらって書くのだからデメリットは書きにくいでしょう。仮に書いたとしても、企業側から訂正を求められることもあると思います。読者もそのあたりは理解できている人が多い気がします。最安値の商品なのにデメリットがひとつもないのはおかしいと気づくでしょう。
もしデメリットまできっちり書いた場合は明らかに他より劣ります。もしくは安くするために下請けへの値引きをやっていそうだったり、素材をケチったりしているかもしれません。
⚫︎理由2:心理的に松竹梅の法則が働くから
多くの商品には料金プランが複数あります。3つのプランがあれば多くの人が選ぶのはたいてい真ん中だそうです。これが松竹梅の法則です。
一番高いのは高価なので避けますし、一番安いのは安物買いの銭失いというリスクを回避しようとします。極端性の回避とも言われるそうです。
⚫︎理由3:共働き・少子化の現代では高機能を求めるから
現代は共働きであり、少子化の時代です。共働きとなると夫婦は仕事が中心となり、生活や家事は二の次になりがちです。それでも豊かさや便利さは求めます。コスパやタイパなんて聞きますが、そのためには高機能であることが望ましいです。
また少子化のせいか、親は子どもへの教育には熱心です。働きながら子どもをサポートするには時間が足りません。家事を手抜きできるような商品が求められるのは当たり前でしょう。
また子どもの塾なども安いと不安が募ります。講師が頼りなかったり塾生の学習意欲が低かったりするのではないかと思うでしょう。
これらの理由から比較サイトで最安値だからといって、ヒット商品になるわけではないと思います。ヒット商品にするにはとにかく安くすればいいというわけではないのです。
きっとカタログ制作の考え方と似ていると思います。「制作の際にベンチマークするのは業界1位ではなく自社のひとつ上の順位の企業にしようという話」「カタログのデザインのトンマナはベンチマークを参考にするのがいいと思うという話」にあるように、ベンチマークを意識した機能と金額設定がポイントではないでしょうか。