ウェブディレクターはコーディングやプログラミングをマスターする必要はあるのか?

Creative

結論から言えば、マスターする必要はないと思います。

ウェブディレクターは今日も忙しい。ディレクションを侮るなかれという話」でも書きましたが、ディレクターは人に動いてもらうことが最重要課題だと思います。だからマスターしている人に動いてもらえば万事解決です。

とはいえ知識ゼロだと舐めプされます。信頼されません。つまり人は動いてくれない可能性が高いです。もしくは動いてくれても手抜き作業されます。

舐めプされないためには基礎知識が必要です。また「制作物の「クオリティ」の意味をあいまいなまま使わずに明確にして捉えてみるという話」にあるように、品質を見極めるものさしを自分なりに持っておくことが必要です。

人によっては「いやいやマスターしたほうがいいに決まってるでしょ」と思うかもしれません。マスターすると何が起こるかというと、他人の仕事に不満しか持てなくなりがちです。

自分の方が早くできる、自分の方がデータをきれいに整理できる、自分の方が高品質にできるなどなど。自分でできるがゆえに、他人の仕事に満足できません。

つまりマスターすると、品質を見極めるものさしではなく、他人の仕事への満足度を測るものさしになってしまうのです。

だって「自分でやったほうが早いわ」と思ってしまうからです。でも実はそのほうが遅いのです。作業を他の人に任せることによって、自分は先手を打ったり考える仕事に集中したりできたりします。この恩恵は大きくて、より効率的でミスを最小限にすることができます。

くり返しになりますが、だからこそウェブディレクターには人を動かすことが大切な役割なのです。

『人を動かす』という題名の本があります。その中でくり返し書かれていたのは「相手を褒める」ということでした。ウェブディレクターに必ず求められるのは、相手のいいところを発見して褒めることができることなのでしょう。