スタジオ撮影かハウス撮影かの判断はロイヤリティフリー画像やAI生成画像もふまえて決めようという話

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以前書いた「家電製品の商品撮影(物撮り)で表示部をどうするか決める話」や「商品撮影での標準カットとカタログカットは緊張感が全然違うという話」のように撮影時のことではなく、撮影前の話です。

撮影には大きく分けてスタジオ撮影とハウス撮影があります。

スタジオ撮影はたいていカメラマンが所有する撮影部屋があり、グリーンバックや白背景など商品やモデルのみを撮影することが多いです。撮影するものが小さければ別ですが。

対してハウス撮影はたいてい一軒家をまるっと借りて撮影します。モデルやものを撮影するのが目的というか、販売したい商品を使った生活スタイルを表現するために一軒家の各部屋で撮影するのです。

私がカタログ制作していたころはどちらも経験しましたが、一度「やってしまった」という後悔のエピソードがあります。

それはスタジオ撮影かハウス撮影かで少し悩んでいたタイミングでした。そんなときに別の商品担当の制作をしていた人と一緒に撮影することになりました。別の担当者はハウス撮影に決まっていたので悩んではいましたが自然とハウス撮影する流れになりました。

そして撮影当日。まずは私の方から撮影をはじめることになったのですが、アタリでつくった画像より見劣りしたり思ったより部屋が狭くて撮影が難しかったりして、結局グリーンバックで撮影して、あとでロイヤリティフリーの画像と合成することになりました。

別の担当者は問題なく通常どおりハウス撮影を終えました。

合同でしたから割安で撮影できましたが、はじめからスタジオ撮影でグリーンバックでやっておけばもう少し予算を抑えられたかもしれません。それにスタジオのほうが機材がそろっているので撮影の自由度も高かったと思います。またハウス撮影のように家具を移動させる時間もいらないので撮影時間も短縮できただろうと思います。

ロケハンが甘かったという誤算があります。ただそれよりもロイヤリティフリーの画像でも十分いける画質のものが多いということに当時あまり気を配っていませんでした。特に室内や家具といった画像は気品の高い雰囲気があるものも少なくありません。

とはいえロイヤリティフリーの画像の場合は奥行きや角度が動かせないことも多く、光も独特だったりします。実際に商品と合成したときに違和感を感じることもあります。デザイナーによっては勝手に商品画像を少し加工・調整して、ロイヤリティフリーの画像に合わせる場合もあるので要注意です。

なにはともあれ、このエピソードから私は撮影をどうするか決める際にはロイヤリティフリーの画像を侮ることなく、スタジオかハウスか考えるようになりました。

今ではAIで生成した画像を使うかどうかという選択肢もあり得るので、撮影前はよくよく考えたいものです。